強迫性障害の神経調節療法の「鍵」が新たな研究で見つかる
家のドアが閉まっているかどうか、何度も何度も洗面台で手を洗うかどうか、部屋にあるものをすべて順番に並べるかどうか……。 あなたはこのような傾向があるだろうか?
英国の科学者たちは、神経伝達物質であるグルタミン酸やGABAを含む脳内の化学伝達物質の変化が、強迫行為や習慣的行動の出現に関係していることを発見した。 この発見は、強迫性障害の将来の治療法のヒントになるかもしれない。 この研究は6月27日付のNature Communications誌に掲載された。
強迫行為は潜在的に有害で持続的な行動である。 しかし、強迫行為と神経伝達物質(神経細胞の情報伝達を助ける脳内の化学伝達物質)レベルとの関係や、その背後にある神経機構は、依然として不明である。
ケンブリッジ大学のMarjan Biria、Trevor Robbinsらの研究チームは、強迫行為との関連を調べるため、脳スキャン技術を用いて前帯状皮質と補足運動野の2つの異なる脳領域における神経伝達物質レベルを測定した。 著者らは、31人の被験者の脳スキャンと強迫行為に関する心理学的測定値を30人の対照群と比較した。
その結果、すべての被験者において、グルタミン酸(興奮性神経伝達物質)のレベルとGABA(抑制性神経伝達物質)との関係が、運動に関連する脳領域である補足運動野における強迫行為や常同行動と関連していることがわかった。 また、OCDの被験者は前帯状皮質においても同様の関連を示した。
この結果は、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の根本的なアンバランスが強迫行動の発現に寄与している可能性を示唆している。 すべての被験者に共通する関連は、強迫性が前頭葉の脳領域と関連する一般的な現象であることを示唆している。 今回の発見は、これらの脳回路における神経伝達物質レベルのバランスを取り戻すことができるかもしれない、OCDに対する新しい神経調節療法の基礎を築くかもしれない。