液晶染色体の複屈折とDNAの凝縮
DNAは、in vitroでいくつかの高濃度液晶相に自己組織化することができる。 最大のゲノムは、マラリア原虫に関連する多様な原生生物群であるメタノバクテリウムのコレステリック液晶染色体(LCC)によってコードされていることが知られている。 現存する真核生物の中で最も大きなゲノムであり、ヒトゲノムの80倍にも及ぶこれらのゲノムを、液晶パッキング戦略によってどのように整理しているかについては、ほとんど知られていない。 半自動偏光顕微鏡を用いた比較測定により、異なるメタン生成生物種の染色体の複屈折(異方性物質の光学特性)は、一見類似したバンディングやアーチ状の超微細構造パターンを持つものの、非常に多様であることが示された。 核の染色体配列や個々の核型には大きな違いが存在する。 我々のデータは、マクロおよび超微細構造の整列の両方が、液晶染色体の見かけの複屈折に影響を与えることを示唆している。 絶対潜伏量とDNA量、透過型電子顕微鏡(TEM)顕微鏡写真から測定した観察ピッチの間に正の相関があることが初めて実証された。 染色体の破壊を誘発する実験により、メタン生成染色体には複数の組織配列があることが明らかになった。 DNAに対するタンパク質の割合が低いことから、これらのLCCを組み立てる際には、高度に制御されたエントロピー駆動の利用が必要であることが示唆された。 これらの最大級の既知のDNAをパッケージングし、さまざまな形状の核に配列するメカニズムを理解することは、DNAをナノ構造材料として利用する上で大きな価値を持つ。